TAKIHYO FOR GOOD(タキヒヨー株式会社のサステナブルサイト)

study for good -「学ぶ者」國澤あや乃がいま考えること #1

#1 “エシカル消費”

目次

  1. エシカル消費を学ぶ
  2. エシカル消費の背景
  3. 私の実務と消費行動
  4. つかう側にとってストーリー性とは
  5. ストーリーテリングがエシカル消費を推し進める

1. エシカル消費を学ぶ

「study for good」は、今年度から入社2年目に突入した私が「ものづくり」にまつわるあらゆるテーマをピックアップして、皆さんと一緒に学んでいくコンテンツです。

今回のお題は“エシカル消費”。SDGsの目標「12. つくる責任つかう責任」と深く紐づくこのテーマについて、私がものづくりの業界に飛び込み実務を通して見聞きした経験と、消費者としての実体験を織り交ぜながら、これからのものづくりに何が求められるかを探っていきたいと思います。

2. エシカル消費の背景

環境・社会・ひと・地域・生物多様性…。これらの地球課題の解決をリードする企業や団体を応援したり、解決につながる商品を購入したりする消費行動をエシカル消費といいます。
例えば、リサイクル品の購入や古着回収への参加などは「エシカル消費」の代表例です。

3. 私の実務と消費行動

私は自分自身の日常的な消費行動とファッション業界での業務内容を緩やかにつなげ、考えています。

現在、サステナブル認証に関する実務を担当しています。今も昔もファッションはとても好きですが、働き始める前まで、フェアトレード以外のサステナブル認証の存在や役割を全く知りませんでした。また、消費者として日本国内の市場で「認証マーク」が付いた服を目にしたことはなく、身近な存在ではありませんでした。ところが、認証の存在を知った後によくよく自宅のクローゼットの中を見てみると、勉強したばかりの認証マークが付いているトートバッグを持っていて、何も知らずに使っていたことに気づきました。認証の背景を学んだ私にとって、認証マークは商品の付加価値です。それは「ただのトートバッグ」ではなくなり、さらなる愛着が湧いてきて、今も愛用しています。

最近では、サステナブル認証の業務の一部を担っていく上で、認証マークが付いた商品を見てみたい一心で、月1回開催される蚤の市や古着屋に足しげく通い、資料集めをしています。

私はものづくりの世界で働き始めてから、エシカル消費をより楽しめるようになったと言えるかもしれません。ものの「ストーリーを知る」ということが、エシカル消費の肝だということを発見しました。

サステナブル認証とは…
https://takihyo.jp/certification/

4. つかう側にとってストーリー性とは

リサイクル品の購入や古着回収への参加は、複雑な要素をすべて取り除くと「環境に良い消費行動」と表現できてしまいます。しかし、自分の消費行動を振り返ったとき、リサイクルの「原料元」や回収された古着の「行き先」など、不明確な部分が多いほど購入に至るまでの道のりは遠かったのではないかと思っています。そもそも、消費者は人それぞれ異なる判断基準や趣味趣向を持っています。海沿いで育ちサーフィンが好きな人もいれば、森でのキャンプやサウナ巡りが趣味の人もいます。そして、好きなことには多くの時間やお金を使いたいと感じることは自然で、また、関連する地球課題への意識や罪悪感は多少なりともあるはずです。

私は、ここをうまく結びつければストーリーが生まれ、決して頑張ることなくエシカル消費を楽しむことができるのではないかと思っています。「共感」「ワクワク」にもグラデーションがあることを踏まえると、幅広いニーズと紐づけた選択肢から自分の生活に馴染む「エシカル」を選べる状態があれば、当事者意識が芽生え、ストーリー性が見えてくることを発見しました。

5. ストーリーテリングがエシカル消費を推し進める

「つかう側」としての発見を「つくる側」の実務に落とし込むと、企業には、単に「環境に良い」という大きな枠組みで消費者に問いかけるのではなく、サステナブルをより細分化し、海洋ごみ、森林伐採、動物福祉、労働者支援、地域支援など多岐にわたる地球問題に消費者がピンポイントで選択し貢献できる仕組みを整えることが求められているのではないかと考えられます。その「仕組みづくり」には、先に書いたサステナブル認証も該当します。

しかし、せっかくすばらしい背景のあるものづくりだとしても、消費者は企業側から出される情報からでしか、本当にエシカルかどうかを判断したり、そのストーリー性を感じ取ったりすることはできません。だからこそ、きちんと背景を伝える「工夫」をすることがつくる側の使命だと思っています。

最後に、「_ for good」としては「Z世代と考える、エシカル消費のこれから―海洋問題とサステナブル商品開発」と題したセミナーも開催し、つくる側として、つかう側として、参加者の皆さんと一緒にエシカル消費について考えました。本コラムとあわせてアーカイブ配信もご覧いただければと思います!

【アーカイブ配信中】Z世代と考える、エシカル消費のこれからー海洋問題とサステナブル商品開発 | __ for good(オウンドメディア)| TAKIHYO FOR GOOD(タキヒヨー株式会社のサステナブルサイト)https://takihyo.jp/for-good/1161/

個人や団体、業種を問わず、生産者と消費者の皆さんからのご意見・感想、アイデアをお待ちしております。

プロフィール


國澤 あや乃(くにさわ あやの)

サステナブルセクションプロダクションチーム。タキヒヨーのものづくりやビジネスに取り組む姿勢に魅力を感じ、2023年入社。「学ぶ者」としての視点から_ for goodに関わり、サステナビリティのプロフェッショナルを目指す。

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