TAKIHYO FOR GOOD(タキヒヨー株式会社のサステナブルサイト)

#4 大妻女子大学SDGsファッションブランド「m_r tokyo(マール トウキョウ)」産学連携プロジェクト

「売れる」商品を作るために必要なことを企業と学生が“一緒に”考える #4

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1から#3の連載を通して、今回のプロジェクトの全体像や「m_r tokyo」のメンバーが商品を企画する上でそれぞれが実現したかったことについてご紹介してきました。連載の締めとなる今回は、プロジェクトを通して学んだことについて語り合います。

森:
このプロジェクトを通して、学んだことや、自分が消費者として洋服を買うときに見方が変わったとか、意識が変わったなと思うことってありますか。

―洋服が好きで、買い物に行く機会も多かったのですが、今までは「見た目」重視で、かわいいと思うものを買っていました。今回プロジェクトに参加して作り手側のプロセスを学ぶことで、かわいさだけで選ぶのではなく長く愛着を持って着られるような選択をしようという価値観の変化につながりました。

森:
選ぶときに「大事にできるかどうか」というのをきちんと考えた上で商品を選んでいこうという気持ちになったということだね。他には何かありますか。

―商品企画を進める中で、作り手の大変さや工程の複雑さを知って、これだけ大変な苦労をして商品一つひとつを作っているにもかかわらず、手頃な値段で販売できていることに驚いたと同時に、店頭に並んでいる商品の背景を知ることができて良かったなと思っています。

―作ってみてわかったのは、デザインを重視しすぎると着心地が悪くなってしまうということ。そのバランスをとるのがとても難しかったです。そう思うと、自分が普段着ている商品がデザインと着心地を両立させているのは、本当はすごいことなんだなということに気づきました。

森:
世の中に普通に並んでいる商品が、たとえ低価格帯の商品であっても細かいところまで考えて作られているということを知ってもらえたのは、作り手側としてもうれしいです。逆に、もうちょっとこういうところを改善できたらよかったなとか、後輩が同じようなプロジェクトをやるとなったときにこういう点に気を付けたらいいよとかアドバイスできることはあるかな。

―私たちも初めてのアプローチだったので、わからないながらも模索しながらやってきました。自分たちの先輩からもっと話を聞く機会があったら、「m_r tokyo」側で「消費者がほしいもの」の解像度を高めてからタキヒヨーさんに「こうしてほしい」を伝えられたんじゃないかなと思います。

森:
限られた時間だからこそ「コミュニケーションの質を高める」工夫が必要ってことだよね。ビジネスの世界でも同じで、生産国が海外だったら、時差もあるし言葉の問題もあって、さらに納期があるってなったときに、今言ってくれたことと同じことが課題になる。さまざまな制約がある中で、納得がいくものを作り上げるっていうのはとっても大変。伝え方、対話の仕方は難しい。仕事の本質的なところの苦労を味わってもらえたのはすごくいいなと思います。
皆さんはこの後就職を控えていて、ファッション業界に進む方もいらっしゃると思うけれど、これから働く上で今回の経験が役に立ったなと思うことはありますか。

―さっきのコミュニケーションの質の話にもつながりますが、私たちの知識がない中で「こういうものを作りたい」をうまく言語化してお伝えしきれていないところがあったのではないかという反省があります。対話が大切だというのは今後自分が働く当事者になる上でも学びになりました。

森:
結局、大切なのは“対話”ということですね。今回のプロジェクトの軸に“サステナブル”があったと思うんですけど、そこも結局は対話だなと思っていて。何となくファッション業界、もっというと作り手側が悪者にされている感じもあるけど、業界自体も悩みながら努力をしていて、その上でなお「困ったね」っていう部分がある。その「困ったね」をきちんと共有するような、対話をしていく中で一緒に考える機会があれば、もっと良いものづくりができるかもしれない。今回、「m_r tokyo」とものづくりの橋渡しをした國澤さんは何か思うことあるかな。

國澤:
それぞれの学生さんの企画ごとに個性やカラーがあって、見ていてとても楽しかったです。一方で、実際にものづくりをする作り手側としては、そこまで消費者の個別の希望を企画に落とし込むことは難しいということも現実。それでも、ファッションと“サステナブル”とを掛け合わせるときには、無駄なものづくりを防ぐ意味でも「売れる」ということを抜きにして考えることはできません。消費者のニーズをマーケティングとして落とし込んでいくということは、私が今後ものづくりをしていく上で考えていかなければいけないと改めて学べました。

森:
やっぱりこうやって、作り手側と消費者が一緒に考えるのは大切だね。お互い言わないとわからないからこそ、対話することによって解決できることがたくさんある。正解がわからないからこそ一緒に考えるプロセス自体から生まれるものもあるっていうのが今回改めてわかりました。

“作る側“と“使う側”。重なる部分も多いはずなのに、さまざまな制約の中でこぼれ落ちてしまう視点もあるかもしれません。

“対話”して“一緒に”考えることで、「より良く」を実現していく道が拓けそうです。

プロフィール


森 康智(もり やすとも)

採用プロジェクトチーム兼広報・IRチーム。新卒採用、キャリアコンサルティングやPRの専門知識を生かし、多様な人々の「問いと語り」によるシナジー創出を目指す。_ for goodのファシリテーター。


國澤 あや乃(くにさわ あやの)

サステナブルセクションプロダクションチーム。タキヒヨーのものづくりやビジネスに取り組む姿勢に魅力を感じ、2023年入社。「学ぶ者」としての視点から_ for goodに関わり、サステナビリティのプロフェッショナルを目指す。


伊藤 千鶴(いとう ちづる)

広報・IRチーム。社内外の広報、情報発信に長く携わってきた“社内ジャーナリスト”。豊富な執筆、編集経験を生かし、_ for goodでは「中の人」としてライティングなどを担当。